簡易式化学反応式CO2添加装置とは?
私が簡単な工作で、確実にCO2添加をするために考案した画期的な装置です(自画自賛が入っております。)。
作成方法、動作原理等の詳細は以前投稿した記事を参照して下さい。

改良ポイントは?
改良ポイントはすごく単純で、今までウィルキンソン炭酸水の1ℓペットボトル2本で構成されていた装置を1.5ℓ炭酸飲料のペットボトル1本で構成された装置に変更しただけです。
改良理由は?
改良理由は2つです。
1) ペットボトル2本から1本に減らすことで、水槽横のスペースを広くしたかった。
2) 従来のペットボトル2本で構成された装置では、CO2が充填されるスペースが1.7ℓほどあった。この状態だと、重曹とクエン酸の反応によって発生したCO2の圧力が装置内で高まり、水槽に添加され始めるまでの時間が少々かかってしまうため、その時間を短くしたかった。
新しい装置の外観は?
改良版の外観はこんな感じです。
従来の装置はこんな感じでしたので、水槽横のスペースは少しスッキリしました。
改良版 簡易式 化学反応式CO2添加装置 の作成方法
必要なもの
従来の装置で必要だったものとほぼ同じ
- 1.5ℓ炭酸ペットボトル × 1
- エアチューブ (普通のものでOK)
- チューブコネクタ I型 × 1
- チューブコネクタ L型 × 2
- コトブキ工芸 エア調節バルブK-120(一方コックで代用可能)
- アクリルパイプ 外径 20 mm 肉厚 2 mm 長さ300 mm
- ゴム栓 2号 × 1 (ゴム栓でなくても、アクリルパイプ外形20 mmの片方をふさぐものがあればそれで代用可能)
- エアストーン(CO2添加に適したもの)
- 5mm径のドリル
- ノコギリ
工作手順
こちらも従来の装置とほとんど同じ
- ペットボトルのフタに5mm径のドリルで穴を1つ開ける
- I型のチューブコネクタを穴にはめて、接着剤でしっかりと固定
- 外径20 mmのアクリルパイプを切断する。長さはペットボトルの高さより1cm位短い長さ
- ポイント:アクリルパイプをペットボトルにいれた際に、ペットボトルの飲み口から1cmくらい下になるような長さで切断する。1.5ℓのペットボトルの場合、大体27cmくらいの長さでしょうか。
- 切断したアクリルパイプのどちらか片方から5cm程の位置に5mm径のドリルで穴を開ける。穴は2から4個開けた方がよい。
- ペットボトルフタ、エア調節バルブ、チューブコネクタ、エアストーンを接続
CO2添加方法
しつこいですが、従来の装置でのやり方とほぼ同じ。
- ペットボトルに水300mlとクエン酸50gを入れ、よく溶かす。
- アクリルパイプの5mm径の穴が開いている側にゴム栓をしっかりとはめ、反対側の口から重曹を5mm径の穴の位置まで入れる(重さでいうと約8g)。以下のように500mlの空きペットボトルにパイプを差して、じょうご等を利用して重曹を入れるとやりやすい。
- 重曹が入ったアクリルパイプをゴム栓がしてある方を下にしてペットボトルに入れ、急いでフタを閉める。
- エア調節バルブを少しだけ開く。その後、15分くらい待ちましょう。
クエン酸50gの水溶液で、毎日8gの重曹を反応させた場合、1週間ほどCO2が添加可能です。化学反応式の計算上、クエン酸50gと重曹60gがちょうど反応するということになっています。
動作原理
こちらのページを参照してください。

改善された点
1.5ℓのペットボトルに300mlのクエン酸水溶液を入れるので、CO2が充填されるスペースが1.2ℓとなり、従来の装置の1.7ℓと比較して容量が小さくなりました。そのため、装置内のCO2圧力が高くなるために要する時間が短縮され、クエン酸と重曹が反応し始めてから水槽にCO2が添加され始めるまでの時間が短くなりました。従来の装置では30分以上かかっていたましたが、改良版では15分くらいでCO2がシュワシュワ添加され始める感じです。
あと、添加されている時間も長くなりました。従来の装置では8gの重曹をアクリルパイプに入れると、4~5時間ぐらいが添加時間だったのですが、7~8時間は添加されています。これもCO2が充填されているスペースが小さくなったことによるものと推察されます。 だったら、1ℓペットボトル1本で装置を作ればいいのでは?ということになりそうですが、それだと圧力が装置内で一気に上がり過ぎて、調節が難しいんです(すでに実験済み)。1.5ℓペットボトル1本がちょうどよい塩梅なのかもしれません。ちゃんと計算すれば、もっと正確な推測ができると思うのですが、そこまでする必要はないかなと。。。 あくまでも簡易式なので。。。
装置のメリット・デメリットは従来型と変わらずです。
メリット
- 簡単な工作で作成可能。材料費も安い。
- クエン酸、重曹はスーパー、薬局、100円ショップで簡単に入手可能。使わないことになっても掃除などの別用途に使える
- 少量のクエン酸と重曹を反応させるので破裂等のリスクがとても低い。反応が終了すれば添加終了。
デメリット
- ボンベ式に比べると添加量の調節は難しい。
- 毎日、重曹をアクリルパイプに補充する必要がある。しかし、慣れてくれば作業にかかる時間は数分。
- 水溶液中のクエン酸濃度が薄くなってくると、重曹との反応に時間がかかる。
まとめ
あくまでも「簡易式」ですので、細かい添加量の調節はできませんが、簡単な工作で装置を作成でき、かつ確実にCO2を添加できます。
CO2添加をすると水草の成長がどう変化するのか試してみるために利用したり、育成が難しくない水草に対してCO2を週に数回添加する方法としては十分使える装置ではないかと思っています。
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